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―趣味がないってどういうことですか?
うーん、趣味がないっていうか、趣味だったことが全部仕事になっちゃうんだよね。クルマが好きだ。じゃあクルマに乗るのを仕事にしよう。それが、レーサーであったり自動車評論であったりというように、ぜんぶ仕事になっちゃった。
事故の後にやることがなくて趣味ではじめたデジカメも、写真を撮ることとレースとの共通性に気づきはじめたころから、だんだん面白くなってきた。同じ機械を扱うからコツが似ているんだよね。そうやって写真を撮っているうちに、じゃあこの本(『世界でいちばん乗りたい車』の写真も自分で撮っちゃえって。で、カメラも仕事になっちゃった。
俺は、何を仕事にしようかって考えるときに堅苦しく考えずに、そのときの自分の中にある興味から入るんだよね。興味をもっているからこそ、おもしろさを引き出せるっていうことがあるし、だからこそ読者にもおもしろいと思ってもらえるのだと思う。
事故の後、クルマから離れたいって思っていた時期があったんだ。クルマそのものであり、クルマ社会であり、自動車産業、あるいはレース界に対してなんだけど。そういったものから離れたくてたまらない時期にクルマの原稿依頼を受けたときには、全然書きたくなかったんだよね。実際、依頼を断ってしまったんだけど。
―それが今回の「本を書くためではなくクルマへの興味が先だった」という話につながるんですね。
そう。「順番が逆転していますね」って言われたけど、やっぱりクルマの本に対して自分の興味が沸いてきたっていうのが大きかった。だからこそ、この本を書けたんだよね。ある意味では、クルマの記事を書こうと思えたっていうことは、俺の心のリハビリが進んだからっていうことなのかもしれない。クルマの記事なんか書きたくないって言ってたんだから、それは、自分でも驚きだよね。
―なるほど! では、次は気になる本の内容について教えてください。

(以下、インタビューは次回に続く)
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