SPIRIT Information BBS

3月2日第四回自動車交流会にて太田哲也が講演を行いました。

○日時:2013年3月2日
○場所:渋谷 クロスタワー
○参加者:約40名
○テーマ:「若者の車離れをどう止めるか」


第四回自動車交流会にて太田哲也が講演を行いました。
この会は日系自動車メーカーに勤務する若手エンジニアを中心として開催された勉強会です。事前にグループに分かれ、「若者の車離れをどう止めるか」をテーマにフィルドワークとその分析発表を行いました。グループによって結果分析と結果発表の間に、太田哲也が「若者の車離れをどう止めるか」をテーマに講演を行いました。
まずは、現在太田哲也が取り込んでいる「太田哲也スポーツドライビングスクール」、「小中学校出張授業」、「TEZZO」の三つの活動について紹介しながら、若者の車離れをどう止めるかについて自分の見解を述べました。講演中、太田哲也は「交通安全に関する三大要素である道路、車、ドライバーの中で日本は国土が狭く、理想的な道路環境構築はなかなか難しい。自動車の安全技術は発展し死亡件数は減ったが事故件数は減らない、技術に頼るだけで安全は確保できない。つまり、交通安全のためにはドライバーの運転技術や意識を高めることが必要。そのため、スポーツドライビングスクールで安全運転を生徒の皆さんに覚えてもらう活動をしています。」と太田哲也スポーツドライビングスクールの社会的役割について紹介しました。また、自ら小中学校へ出張授業に行ったときに気づいた「子ども達は車が好き、人間のDNAの中には車に対する熱意はまだまだ存在している、問題は解決できる可能性がある。」と参加者に伝えました。
続けて、今の日本の自動車メーカーが直面している危機について太田哲也は「日本は車製造業では今まで世界をリードしてきましたが、今中国や韓国も成長し日本と同じ車を作れるぐらいの技術を持ってきています。車の製造もコモデティ化に追われ、製造ラインも新興国に移されています。もし、その状況が続けば、日本の雇用問題が深刻化し、経済発展も打撃を受けざるを得ない。」と述べて、その困難に挑むため、モノ作りには「文化」が必要という見解を強く主張しました。「技術はいくら進化したといっても、これからは限界がある。だから、技術至上主義だけではなく、それに独特の「文化」を加えるべきだ。消費者はその製品にある技術以外の「文化」に魅力を感じ、その製品に対する愛着が生まれる」「エモーショナルに訴える製品が日本の自動車産業復興の鍵」と、日本自動車業界の未来を開拓していく若手エンジニアの参加者に提言しました。参加者達はこの話を聞いて共感をしたようで、大きく頷きました。
講演後、参加者からたくさんの質問が出ました。その中にこんな意外な質問もありました。「私は車のエンジニアですが、でも車が好きとは言えません。どうすれば車が好きになれますか?」と質問がありました。それについて、太田哲也は「モノに共感するということは、人に共感すること。その車をモノだけとして見るではなく、その車から伝わってくる生産者、技術者の思いも感じながら乗ることが大事。車が違えば伝わってくる思いも違う。ある意味で、その車を作った人の性格も見えてくるから、車も違う性格を持っていると言えるでしょう。また、それだけではなく、車の性能や設計を通して、社会の需要、動きまでも見える。これらの面から見ると、車は大変奥が深い。」と話しました。質問した人だけではなく、参加者の皆さんもその答えに納得したようでした。
講演後、グループ別で、調査の結果発表をしました。発表の内容としては「デートの時移動手段として何を使いますか?」「車を持つことは本当に無駄ですか?」など、グループによって「若者の車ばなれ」を見る点は全然違っていましたので、とても面白かったです。「若者の車離れはそこまで深刻ではなかった」という結論になりました。その後、太田哲也が皆のグループ発表について論評しました。


【主催者の声】
主催者の代表、経済産業省製造産業局 自動車課 企画調整係長の中山さんが「車のエモーショナルな部分に訴えかける製品が今後の自動車産業を作り出す鍵、というキーワードが強く心に残りました。」と言いました。

【参加者の声】
「会社に入って低燃費車や軽自動車のような低価格車が消費者のニーズだというステレオタイプの情報を確認もせず受け入れていた」
「いつの間に技術至上主義になっていた。大切なのは文化でありストーリーを語ることだと思った」


(文/パハ)


 




©ofiice keep on racing all rights reserved