アルファチャレンジ 参戦レポート
2006年4月29日 東北シリーズ第1戦
快晴に映える蔵王の山々。
2006年TEAM KEEP ON RACING 緒戦の舞台は ここ仙台ハイランドで行われる「アルファロメオチャレンジ東北シリーズ第1戦」だ。
今シーズンは、太田のレースカーTEZZOアルファGTに大幅な改良が加えられた。
それは、ツーペダルシステムの採用だ。
これはクラッチを足で踏む代わりに、手元のボタン操作で作動させることも出来るというもの。
まだ開発中のため詳細は明らかにできないのだが完成すれば太田にとって強力な味方となることは間違いない。
ただ、今回は仙台入り直前にシステムが組み上がったばかりなので、結果的にサーキットでは一度もテスト出来ずに、本番に臨まなければならない。
まさに走る実験室となってしまった。
また2号車は昨年同様、クレド所属の江刺家選手TEZZO156GTAでSRクラスに出場する。
また今回の目玉として、オヤジレーサーズ改め 「TEZZO RACERS CLUB」の発足がある。
中年を迎えても何かにチャレンジしよう、というクラブの主旨に賛同し入会したクラブ員から、さっそく2名がAR150クラスにエントリーした。
式場選手が147GTA、中島選手が156ツインスパークでのエントリーだ。
太田から仙台攻略法を授かる2人。
太田自らベストラインを書いたコース図を頭に入れてイメージを組み立てる。
まずは太田車GTでテスト走行。
とにかく初めての試みだけに、メカの並木も太田と慎重に打ち合わせを重ねる。
そしていよいよスタート。
「ガクン・・・」
クラッチがうまく繋がらずエンジンストップ。
何度かトライして、ようやくスタートする。
スイッチを押して作動させるため、半クラッチがうまく使えないのだ。
そしてまずは「TEZZO RACERS CLUB」に関しては太田が先頭で2台を引っ張りコース取りを指示。
何周かしたのちに、ペースを上げてゆく。
2回目のテスト走行では新システムを使いながら走行を開始するものの、ストレートでもタイミングが合わないのか、空ぶかし音が聞こえる。
何度もピットインを繰り返し調整しながらの走行が続く。
ようやく練習走行も後半になると、安定してタイムが出るようになってきた。
対照的に江刺家選手の156GTAは、コンピュータートラブルが発生してしまい急遽修理を開始。
今回から、より改造範囲の広いSRクラスに変更し、総合優勝の期待もかかっていただけに不安がよぎる。
「TEZZO RACERS CLUB」の2台は順調に周回を重ねる。
しかし、オトナとはいえその走りはかなり熱を帯びているようだ。
予選開始は午後1時。
コンピュータートラブルを解消した江刺家選手が、総合ポールポジション!
太田はSRクラス3台に次ぐ4位のポジションにつけた。
午後3時、決勝スタート。
まるで初夏のような日差しを浴びながら、グリッドにつく各車。
ポールポジションとはいえ、セレスピードの江刺家選手にとっては、スタートが難関となる。
特にすぐ後ろには、毎回ここ東北シリーズで抜群のスタートダッシュを見せる155Q4(4駆ターボ)の姿が・・・
エキゾーストノートが高まり、いよいよスタート!
やはり予想通り、スタートダッシュを決めた155Q4がトップで第1コーナーへ。
江刺家選手が懸命に後を追う。
太田はスタートで1台かわし、3位へ。
慣れないクラッチ操作にてこずりながらも、3位を守る。
しかし相手は格上のSRクラス。
最後はパワーの差が出て、4位でゴール!
しかし後続を大きく引き離してのMRクラストップだ。
江刺家選手も差を詰めながらも抜くまでには至らず2位でゴール!
悔しい緒戦を終えたのだった。
「TEZZO RACERS CLUB」の2人も無事走りきりクラス2、3位でゴール!
中島選手は予選後太田のアドバイスによりセッティングを大幅に変更。
決勝では8秒もタイムアップを果たす。
式場選手は、今朝埼玉から自走して今日のレースに参加。
最後はガス欠症状に苦しみ、ノーマルのブレーキが悲鳴を上げながらも完走を果たしたのだった。
そして今回「TEZZO RACERS CLUB」に参加し前回のタイムを10秒アップしたのだった。
レース終了後、表彰式までの合間に太田が来場の子どもたちを呼んで記念撮影。
レースカーに初めて4点式ベルトを締めてもらった子どもたちの、輝くような瞳が印象的だった。
表彰式では、参加4選手共に表彰台に上り、シャンパンファイト!!
遠方より駆け付けたクラブメンバーの拍手を浴びながら、また次回の健闘を誓ったのだった。
緒戦を無事終えたものの、今シーズンはまだ始まったばかり。
究極のストリートカー「TEZZO」開発のための実験室として、サーキットでの挑戦は続く。
ここからまた新たな商品が生み出されるはずだ。
「TEZZO RACERS CLUB」も好評のうちに無事旗揚げ出来た。
レース参加に留まらず、オヤジならではのどんな活動が出来るのか。
どんなふうに輝きを増していくのか。
こちらもまた期待していて欲しい。
(文・フォトノス金子)
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