| しかし、十数年活動を続ける中で、彼らの目はどんどん社会に向けて開かれていった。例えば、阪神大震災をはじめ多くのボランティアへの参加、経済的に高校生活を続けるのが困難な友人を救うための私学奨学資金財団への一億円募金活動、また、愛知からは遠く離れた沖縄や更には韓国・アフガニスタンの高校生たちを名古屋に招待し、平和についての意見交換もしている。
自分たちの学校をよくすることとは、自分たちが教育の主体者となること。それには仲間と一緒に積極的に社会とクロスし、自分たちから社会に働きかける必要がある。そう考える彼らは、社会から教えられることの大切さを学び、今も活動を拡大させている。
今、世の中では学力低下問題が叫ばれているが、我々教員にとってより深刻なのは高校生たちの勉強するモチベーションそのものが下がっていることだ。
なぜ学ぶのか、学んだものが将来どう役立つのか、そういった肝心なことが今の学校教育からは抜け落ちている。高フェスの活動をしている高校生たちはその抜けた部分を見事に自ら探し出し、自分たちが学ぶ意味を見つけ出しているように見える。
そんな活動の中で「クラッシュ」という本に巡り会った女子高生がいた。彼女は、2001年当時の高校生フェス委員長だった。「太田哲也さんの話を聞きたい」という思いが通じ、講演会が実現。これが現在の太田さんと私たちとの交流につながっている。
確かにボランティアや平和を考えること、そしてアルバイトも、学校の成績には役に立たないムダなものかもしれない。でもそのムダの中にこそ、自分の将来やりたいもの、学ぶべきもののヒントがある。それを見つけるためにも、自分から積極的に社会に働きかけること。一見ムダと思えることに自分から関わり、その主体者となる。そうすれば私たちが太田さんと巡り会えたように、君たちにもすばらしい出会いが待っているはずだ。
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