SPIRIT Information BBS

太田哲也が手にとった本を、あなたにナビゲート。
ときどき映画と音楽もご紹介します。

スタッフも参加します。


※感想など是非お気軽にこちらのBBSまでくださると嬉しいです。

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■今回のピックアップ

2008-6-6

ワンちゃん

楊逸(ヤン・イー)

人生あまりこういうものだと決めてしまって生きると固くなりすぎてしまう。もっとシンプルに考えていいんだということをこの本は教えてくれる。

人生はいつかいつかじゃなくて、早く社会に出て、早く早く大人になることを目指すべきなんじゃないかな。
自信が無くて怖じ気づいて一歩を踏み出せないのもわかるけど、人間は未完成のまま、一歩を踏みだすくらいのほうが早く完成に近づくことができるんじゃないかなと改めてこの本は感じさせてくれた。

あと、この本は”ワンちゃん”と”老処女”という2編で成り立っているんだけど、この”老処女”というフレーズにグっときた。


(太田哲也)


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■今回のピックアップ

2008-6-6

世界の家 (単行本)

ベルンハルトM.シュミッド (著)

路地―Wandering Back Alleys (単行本)

中里 和人 (著)

高揚感を感じたりとか美しいものが見たいと思ってよく写真集を買います。
特に家にまつわる写真集が好きで、買い物のついでなどにまめに本屋には行くようにしています。
もともと、マンレイの白黒ポートレイトの作品が好きで昔から写真集は好きでした。 白黒写真はカメラマンの意図がダイレクトに伝わってきていいんですよね。


(太田篤子)


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■今回のピックアップ


青春ハートブレイカーズ
FSLパブリッシング


2008-5-22

青春ハートブレイカーズ


フリースタイルライフパブリッシング(著)

発行者MIZKとの付き合いはもう5年くらいになる。WEBディレクターが本業で、毎週、僕の事務所に来てWEBを担当してくれている。でもその本の中には僕の知らないMIZKが一杯いた。偉人の名言を借りて彼なりの解釈で自分の心の叫びをたたきつけるように表現している。そうか、ヤツはこんな人物だったのか、こんなことを考えてこういうふうに自分をなんとかコントロールして、前を向く努力を重ねていたのか。

そこに表現されたのはまさしく木藤瑞穂であって、それは彼の性格、生き方、価値観がはっきりと提示されている。だから多くのメディアに乗って大勢の共感を受けるという類の本ではないだろう。むしろ彼のようなフリースタイルな生き方をしている、あるいは憧れている少数者から熱狂的な支持を受けるだろう。
漫画家須田信太郎氏による「江戸川ハートブレイカーズ」の続編も掲載されている。

写真も多くあって体裁も読みやすかった。こういうものはWEBの世界ではわりとブログなどであるかもしれないが、ブログはやっぱりさらっと書いてあって突き詰めていないし、自分を追い込んでいないというかやっぱり紙にする以上自分の心をさらけ出さなければならないわけで、そういういみではまだまだ紙媒体の強さを感じた。



(太田哲也)


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■今回のピックアップ


2008-5-15

春にして君を離れ

(クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー (著), 中村 妙子 (翻訳)

妻、篤子がVERY誌の取材を受けたときに、編集者に「感動した本は?」と聞かれて、この本がすごくよかったと言っていた。推理小説ではなく、アガサ・クリスティーが別名で出したシリーズらしい。そんなに篤子が感動したというのならば、どんなものかと思って興味をもった。

読み出してみたら、けっこうつまらない。話の筋は主婦が子どもに会いにインドに行って帰ってくるまでのストーリー。篤子がどういう気持ちで読んだのだろうか。どこを感動したのだろうか、という人の日記を読むような覗き見的ワクワク感だけで読みすすめた。ところが、山場は最後にきた。ストーリーとすれば周りの空気を読めない人がいて、それになんの文句も言わない優しい夫という筋なのであるが、自分がいかに周りの人が言うことを自分に都合よく解釈していたのかに気づく。そして周りの人にいやな思いをさせてしまったことを反省する。ところが、最後にどんでん返しがある。彼女が家に帰ると、また元にもどってしまうのだ。つまり夫の彼女に対する接し方が彼女をそうさせてしまっていたのだ。

僕は、もっと人生はファイトしないといけないと思う。本当にいい夫だと思っていたのに、本心では君はこういうふうに変えなければいけないと言ってあげないイヤなやつだと思った。でも読み方は人それぞれいろいろあると思う。その読み方については解説で、栗本薫が書いている。この人の”顔”という小説を以前に読んだときはつまらなかったのだが、この解説はとてもよかった。





★今日のラインマーカー

わたしがこれまで誰についても真相を知らずにすごしてきたのは、こうあってほしいと思うようなことを信じて、真実に直面する苦しみを避ける方が、ずっと楽だったからだ。

(太田哲也)


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■今回のピックアップ


2008-5-1

この犬が一番!―自分に合った犬と暮らす法

富沢 勝 (著)

犬を飼うには、上下関係にとらわれず、一歩距離を置いて犬を客観的に見て、彼らの考え方や習性を理解したうえで接することが大切だ。
犬を飼うことは子供を育てることと同じ。飼い主や親である自分を磨くということなのだ。そんなことを改めて気付かせてくれる本だ。犬の本としてだけでなく子育ての本として読んでも興味深い。


★今日のラインマーカー

日本人というのは、子供のしつけと同様犬のしつけにおいても愛情と威厳の使い分けがへたなようだ。欧米人はおもちゃをねだられてもだめなものはだめと妥協しないし、その一方でスキンシップを欠かさない。

日本人は犬に対してやたらにかわいがって甘えさせ放題にさせているかと思えば、えさと散歩をさせているだけでろくにコミュニケーションをとらないという両極端なケースが多い。犬は家族を群れとみなし飼い主をボスだと思っている。しかし飼い主との間に信頼関係が出来ていないと犬はその飼い主をボスとみなしてくれないので、たとえ体罰を与えても一向に効果が上がらないどころかますます反抗的になったりするわけである。



(太田哲也)


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■今回のピックアップ


2008-4-18

28年目のハーフタイムと決戦前夜

金子 達仁


月刊誌ゲーテで貴乃花親方の記事を書くことになって第一稿を書き上げたのだがどうも満足できるレベルになかった。それで1号見送りとなった。悩んでいるのは取材対象と自分との立ち位置だ。取材対象に対する踏み込み加減や、どこまで書くべきなのかの判断も定まらなかった。それで参考にしようと思ったのがこの2冊だ。

本の内容よりも著者の取材対象に対する身の置き所を特に気にしながら読んだ。
『28年目のハーフタイム』はオリンピックブラジル戦で勝利したサッカー全日本のチームが次のナイジェリア戦でチーム崩壊するところをハーフタイムに焦点を当てて描いている。当時、著者はブラジル戦を記者としてではなく観客として観戦している。理由は簡単、仕事がなかったからだそうだ。そういう意味で本書は著者がサッカージャーナリストとしての自分の道を切り開けるかどうか、という局面で書いたものだ。そしてそこでは取材対象に対してこれでもかと入っていき、よくこれで取材対象からオーケーが取れたなあ、という言動が語られている。おそらくオーケーは取っていないのではないか。著者にすれば自分が世に出れるかどうかを賭けたパワーがある。

一方、『決戦前夜』は、ジャーナリストとして地位を得た彼が、言葉は悪いが長いものに巻かれながら書いた感じがする。前作では誰に対しても自分の意見を言っていたのに今回はビッグネームに優しい配慮が感じられた。おそらく一作目のスタンスを続けていれば業界で生きにくくなってしまうだろうし、今の彼の立場を得ることは出来なかっただろうから、この2作目の手法は成功なのかもしれないが、どの業界の中でもフリーで生きていくことは大変なのだなと思うと興味深いと思う。僕はどこまで『28年目のハーフタイム』に迫れるだろうか。



★今日のラインマーカー

「実は勝利をつかむためには、最悪の手段といえる破滅的なカミカゼアタックを敢行したのが94年のインターコンチネンタルカップにおける加茂周A代表監督だとしたら、彼我の実力差を徹底的に検証し、数ある方法論のなかでももっとも可能性のありそうな手段を追求したのが西野だった。
そんな努力が、したり顔で近づいてくるマスコミの無責任な報道で水泡に帰しつつあった。」(P47より)

(太田哲也)


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■今回のピックアップ

2008-4-18

カウンタック 11

梅澤 春人


この間、取材で作者の梅澤さんが事務所に来てくれたんだ。梅澤さんの描く女性のキャラクターがみょうに僕の好みにはまるんだよね(笑)


★今日のラインマーカー

トップページの女性の絵にガツんと来る(笑)



(太田哲也)


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■今回のピックアップ

2008-4-11

武士道

新渡戸 稲造

武士道はキリスト教の聖書やイスラム教のコーランのような成文法ではない。あくまで日本人の心の中にあるものだ。言ってみれば、人情とか義、フェアプレーの精神といった類のものがすべての日本人のなかにある。

僕は、こう思うんだ。人に優しくするためには自分が強くあらねばならない。そのためには自分の気持ちをコントロールしなければならない。いやなこともやるべきときは、やらねばいけない。自分の気持ちを律することが必要になる場面もある。武士道の精神とは、そういうことを言っているのだろう。

いまの世の中では、「どっちが得か」という損得勘定に長けた者がもてはやされる傾向があるが、日本人が本来もっている武士道の精神がこういう時期だからこそ注目されるべきだろう。

ある重大な結論を下すときには、人は心の中の正義の声に基づいて行動すべきだと思った。いつもいつもは難しいけどね。


★今日のラインマーカー

「・・・今日の戦後社会では、合理的価値観のみを金科玉条のごとく信じこみ、『どっちが得か』の打算主義だけがまかり通り、よほどの人格的修養を積んでいないと、とてもじゃないが『義』など実行できるはずもないのである。」(P214より)


(太田哲也)


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■今回のピックアップ

2008-4-4

横綱の品格

双葉山 定次

原稿を書くにあたって貴乃花関の100名勝負が全て入ったDVDをこの前見たんだけど、相撲がまったくわからない僕だったにもかかわらず、最後は凄く取り口のポイントがわかるようになった。
見ていると最初はトリッキーな技も使う貴乃花関なんだけど、強くなるにつれて、どんどん基本にかえりシンプルな王道の相撲になってゆく。それは、全ての事に通じるような気がして感じるものがあった。

同時に双葉山というえらい力士の本である”横綱の品格”も読んでみたんだけど、同じように双葉山も強くなる、そしてケガをしないには基本に返ってゆくことと言っている。

レースも同じなんだけど、どうしてそういう走り方をするのかが見ていてわかると、俄然面白くなってくる。相撲の世界もそれと同じで動きの中に意味が見えてくると凄く面白くなってくる。



★今日のラインマーカー

「・・・それにつけても思い出されるのが、双葉山関の『我、いまだ木鶏たりえず』の言葉である。人間、これでいいという段階はない。いつになっても進歩する、常に最善を求める心を忘れてはならない---。」(P17より)


(太田哲也)


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■今回のピックアップ
 

2008-3-21

続 病院で死ぬということ―そして今...

文春文庫 山崎章郎

この本に書かれているのは、ホスピスで週末を過ごした人々の出来事なんだけど、でも決して退屈な話ではないんだよな。たとえば娘の結婚式に出席した癌の父親の話が出てくるけど、まるでドラマのように活き活きと輝いているんだ。もしかしたら、この人の生涯で一番充実したときを生きたのではないかとさえ感じたよ。

やっぱりさあ、人生は終わりがあるからこそ生きている大切さを知ることができる。それで今を大事に生きようとするわけだよね。終わりがなかったらただだらだらと昼寝をしながら送るような人生になってしまうんだろうね。俺も癌になったら告知してもらおうと思ったよ。

(太田哲也)


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■今回のピックアップ
 

2008-3-21

にしおかすみこ「化けの皮」

ゴマブックス

事務所のスタッフ、隠岐が女性誌取材でにしおかすみこに会いに行くことになった。それで事務所に「化けの皮」がおいてあったので読んでみたんだ。たぶんそうでなければ買うことはなかったろうし、期待もしていなかったけど、結構よかったよ。書いてあることはブログで書いた日常のことなんだけど、一つ一つにオチがあって面白かった。

それまで、「にしおかすみこだよ〜このぶたやろうが」の女王様キャラ自体は面白いけど、テレビで面白いことを言っている印象が俺にはあんまりなかったんだ。偉そうに思われたら嫌だけど、彼女は芸人よりも文章を書いたほうが面白さが出るんじゃないかなと思う。

ところで、俺自身は、自分ではかなりユーモアのセンスがあると思っているのだけど、妻・篤子にいわせると「あんたは全然ダメ」とこきおろされる。でも講演なんかだとかなり笑いを取れるんだけどね。、自分の連載も、本が出てから読むとげらげら笑っちゃうもんね。でも確かに篤子みたいに自分の事をうんと落として笑いを取るみたいなことはしないなあ。篤子からは「あんたはかっこつけている。自分を落とさない。だから面白くない」といわれるけど、自分を変えてまでそういう笑いを取る必要が日常であるのかなあ。なんだか夫婦喧嘩の話しになってしまったな。

それで「化けの皮」だが、そのまま笑いで終わるのかと思ったら、最後に家族のことが書いてあって、お母さんは家ではでっかいまりもだけど実は看護婦さんで、ひとつ上のお姉さんはダウン症だということが告白されていた。お姉ちゃんが病気になって病院に行った事件はちょっとじーんときた。SMの神様団鬼六にインタビューに行くところでも、結構、彼女が常識人で人に気を使うイイ人なんだなあと思った。

実際には女王様キャラではなくて、ドMだと本の中では告白している。
でも、そんなことを聞くとますますテレビで笑えないよな。どうせなら、プロフェッショナルとして、プライベートでも本格的に女王様になってしまえばいいのにと思うんだけど。

(太田哲也)


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