富士通小山工場に自動車通勤されている「自動車安全会会員」の皆様を対象に太田哲也による「交通安全」がテーマの講演会が行われました。
自動車安全会では、交通安全の意識を高め、接触事故や、被害者、加害者となることを避けるためにこうした講習会を年に1回開催しているとのこと。そして、今年はプロのレーシングドライバーとしての経験や現在も安全運転の啓蒙活動を行っている太田を呼びたい、ということでご依頼がありました。
太田が、強調していたのは、「交通安全はモチベーションが大事」だということ。世の中に守られた安全はないし、現実を知ることが大事。都合よく考えて「大丈夫だ」と判断せず、自分の目で見て安全を確認し、客観的な視点で見ること。そして、自分の身は自分で守ろうとする意識が大切だと話しました。
また、レーサー時代のエピソードも披露し、「レーサーほど安全を考えている人種はいないと思う。常に最悪を考えて、物事に対処していく。レース30分前は誰とも話さないで集中する。安全装具をしっかり身につけるなど、安全に常に配慮し、危険に対しても臆病ぐらいでないと務まらない職業かもしれない」と、太田。
具体的な運転テクニックについてもいくつかあげ、渋滞の最後尾につかない方法や家を出た直後や高速に乗った直後など「運転の始まり」が集中力を欠いて事故が多いから気をつけること、交差点などでは、ノーズを10cm、20cmだけ出して自分が通るということを自転車や歩行者に注意を喚起することなどをアドバイスしました。
「クルマは詰め将棋みたいなもの。イメージやシナリオを考え、シュミレーションして理詰めで考えることが大事」
また、クルマのポジティブな面にも触れ、「リスクは確かにある。それでもやっぱりクルマは素晴らしいし、人生を豊かにしてくれるパートナーだと思う」と締めくくった。
Q.モチベーションを保つコツはありますか?
太田「ひとつひとつのことにできたという喜びを感じること。喜びを勝ち取るためには怖いこともやらなくちゃいけない。クルマの運転も同じだと思う」
☆主催者の声☆
「10cm,20cmだけノーズを出す、青信号でも(自分の目で安全を確認しなければ)渡ってはいけない、自分の身を守るなど、とてもためになる話でした。太田さんご自身のエピソードと安全についての話という構成もとてもよかったです。いままで聞いたことのない視点のお話が伺え、参考になりました。ありがとうございます」 |