８月、ここ仙台での第2戦。

練習走行でのリタイヤという残念な結果を胸に、
１０月２２日、第3戦を迎えた我々TEAM KEEP ON RACING。
前回の富士をトラブルなく完走出来たおかげで、マシンの
モディファイにも充分時間をかける事が出来た。

まずフロントにはオリジナルのスポイラーを装着。
富士でもマシン下部にエアダクトを着けて、ブレーキの
冷却を図ったが、スポイラーに空気取り入れ口を設ける
事により、冷却効果の向上が期待される。

そして昨年同様、株式会社ジアラより提供されたカーボン
ボンネット。
フロントの軽量化と共に、マシンの外観をぐっと精悍に
引き締める。
軽量化対策として、バッテリーもオデッセイのドライ
バッテリーに変更された。
従来のバッテリーに比べて小型・軽量化され、フロント
スポイラー、カーボンボンネットと共に操縦性の向上に
貢献してくれるはずだ。

レース当日、サーキットはあいにくの雨模様。
今シーズン我々が最も避けたかったのは、この雨のレースだ。
というのは、225/40R18インチ用のレインのラインナップがないのだ。

チームスタッフの願いもむなしく、雨足は強くなり、
見る見る路面を濡らしていく。
他のクラスの走行でコースアウトする車が続出、
再三赤旗が振られた。

そんな中、いよいよ練習走行の始まりだ。

ゆっくりとコースインする太田のゼッケン２７番アルファＧＴ。
水煙を上げながら、ストレートを駆け抜けて行く。

数周後ピットイン。
どうやらドライタイヤが全くグリップしないようだ。
メカニック並木がエア圧を測りながらタイヤ表面にふれている。

「温度が上がってません。
　とにかくもう少し走ってみて下さい。」

並木の言葉にピットを後にする太田。
数周後再びピットイン。

「とにかく路面のミューが低くて、タイヤが全然
　グリップしない。
　コース上にいるのがやっとという感じ。
　なんとかクルマの方でグリップを上げるようにしよう。」

太田の言葉に直ちに作業を開始する並木。
おそらくマシンがロールする前にタイヤが滑って
しまうのだろう。
とにかくショックの減衰力をぐっと下げて足を柔らかく調整し、
さらにテスト走行の合い間には車高を上げて、
ロールさせる方向でセッティングする。

あいかわらず雨が降り続く中、予選開始。
セッティングの変更によりマシンの状態は向上
するも、予選は総合4位クラス２位。
チームメイトの江刺家選手が予選クラス1位。
こちらは昨年太田が使っていた156GTAワゴンに
17インチのレインタイヤを装着しての出走だ。

この路面状況では、ドライとレインの差はいかん
ともしがたく、決勝でも苦戦が予想される。

そして14時、決勝スタート。
雨は止んだものの、路面は依然ウェット状態だ。
スタートで2位にジャンプアップしたアルファGT。
しかしタイヤの差は大きく、２台にまた抜かれてポジションは４位。
それでも、２周目には１台を抜いて３位へ。
レインタイヤで出走の江刺家選手は、後続を引き離し
総合1位でチェッカーをくぐる。
太田もSRクラスのマシンに次ぎ総合3位を確保。
TEAM KEEP ON RACING は、前回の富士と同様
MR300クラスでワンツーフィニッシュを飾った。

なお、145カップには前回同様Tipo誌の佐藤選手が
TEAM KEEP ON RACING より出場。
予選3位、決勝4位でフィニッシュした。

レース後の太田の言葉
「とにかく今日のレースはタイヤが全てだった。
　最終戦の富士に向けて、レインタイヤが装着
　出来るように対策が必要だ。
　サイズダウンして17インチを履くか。
　それだとブレーキサイズを小さくしなくてはならない…。
　それとも18インチで幅広の物を履けるように
　マシンをいじるか。
　今シーズン最後のレース。
　最高の状態で臨めるように、ベストを尽くそう！」

11月23日　アルファチャレンジ全国統一戦
舞台は富士スピードウェイ
今年最後のチェッカーを笑顔で迎えるために
TEAM KEEP ON RACING の戦いは続く・・・