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【講演レポート】「太田哲也の出張授業<夢を実現するために〜チャレンジ>」
2011年中学校第一回が行われました。

○日時:12月15日(水)
○場所:兵庫県神戸市啓明学院中学校
○主催:朝日中学生ウィークリー
○共催:出光興産株式会社
○参加者:中学1〜3年 480人


太田哲也の出張授業が3年目にして初めて小学校に加えて、中学校でも開催されました。中高一貫教育である啓明学院中学では、授業のほかにも、日頃からチャレンジをテーマにおいた課外活動などに積極的に取組み、バラエティー豊かな学校生活を送れるよう工夫されています。今回の授業のそうした体験プログラムのひとつとして、企画されました。
チャペルを舞台にした「出張授業」は、質問コーナーでもたくさんの手があがり、自分自身の進路やこれからのことについて太田さんに質問する内容も多くあがりました。また、講演会が終了すると、以前から太田さんのファンだったという男子生徒が走って控え室まで追いかけてきて、がっちり握手する微笑ましい光景もありました。


〜以下、質問コーナーより〜

生徒:太田さんがレーサーを夢見たのはどういうきっかけですか?
太田:僕が子供のころから夢見ていたと思うかもしれないけど、そうじゃないです。大学生になっても自分が何の仕事をしていいかわからなかった。そして車との接点もあまりなかった。大体レーサーになる人は子供のころからカートというのをやるんですね。これはエリートコースで、これにはお父さんがお金持ちであること、そしてお父さんが積極的であることが必要なんですが、うちの父はレースを仕事にすることを大反対でした。大学を卒業して就職しなきゃいけないとき、いろんなアルバイトをしてどんな仕事が自分に向いているのかいろいろ考えました。その中でレーサーってどうなんだろうと思ったんですね。職業として。それまでにレースではないけどジムカーナとかやってみて、クルマの運転は自分に向いているなと思っていました。そこで、レーサーを目指してみようと思ったんです。大学を卒業してからの、ものすごく遅いスタートでした。自分に向いていたんだと思いますね。レースを始めて2年修行、3年目からF3、4年目からトップカテゴリーに参戦できるようになって、プロになるという夢がかなったんです。だからいまは夢を持っていない人もいるかもしれないけど具体的な夢がなくてもがっかりすることはないということだと思います。

生徒:期末考査の点数が悪かった人でも、将来の夢は、可能だと思いますか?
太田:何の試験なの?
生徒:数学です。
太田:まず答えから言ったら全然問題ないです。だから勉強しなくていいということではないけど、さっきから言っているけど人って向いているものと向いていないものがあって、もちろん中学高校ではまんべんなくやらなければならないし、苦手な教科でも、嫌いだからやらないというわけにはいかないけど、大学になると専攻分野があって自分が得意な分野だけやればいいことになる。人それぞれ性格の長所短所があって、短所は長所の裏返しだったりするんだ。僕は集中力は続かないと言ったけど、その分、短期の集中力はある。だから今数学でゼロ点を取ってしまっても他はいいかもしれない。文系は得意だけど理系は苦手とか。勉強は苦手でもスポーツは得意とか。スポーツはできないけど優しさはあるとか、あるいは花が好きとか。そういう得意なことが何かしらあるもので、そういうものを伸ばしていけば職業は何千もあるからどんぴしゃなものがきっとあります。だから全然気にすることはないけど、勉強はがんばったほうがいいですよね。それで、自分が一生懸命やってもできないということがわかることも大事。でも一生懸命やらなければ期末考査でゼロ点取っても、これが向いているのか向いていないかわからないですよね。だからやっぱり一生懸命頑張ってそのうえでダメでもがっくり来ないこと、違うことが向いているということだから。
生徒:太田さんが普段乗っているクルマはどうですか?
太田:僕はアルファロメオに普段乗っていて、これはフェラーリやマセラッティと同じ会社のものです。そうですね、セダンだけどエンジンがいい音がするんです。自分なりにチューニングしてかっこよくして。君も大きくなったらそういうのに乗ってください。

生徒:小さいころからずっとやっていて好きなことがあるんですが、なかなかうまくならなくて、でも続けていいですか?
太田:何をやっているのですか?
生徒:ピアノです。
太田:そうですね、うまくならないのはやっぱり努力が足りないのか能力がないのかいろいろ要素があるけど、ピアノは人並みの努力じゃなくてすごい努力しないとうまくならないものだと思うので、そういうものなら続けほうがいいと思います。でも、ある時期、方向転換することもありかなと思っちゃいますね。全然違う話だけど、握力のない子を持っているお母さんがレースを見に来てくれて、この子は鉄棒がうまくできないんで、もっと頑張ってほしいと言っているんですと聞きました。それを聞いて、鉄棒ができなくても、ほかに得意なものを見つけるのもいいんじゃないかなと思ったんですね。クラブ活動などでも、ある時期上手くならないときに違う方向に向かうこともあるんじゃないかなと思います。でも、やめるときには、ただやめるんじゃなくて、次にやることを決めてからやめるってことですかね。そして次のことを今までのように一生懸命やってみる。そうやって一生懸命を連続していけば、必ず夢に出会えると思いますよ。ただやめるのはよくないと思います。

生徒:太田さんにとっての生きる意味は何ですか?
太田:それをちょうど言おうと思ってたんだ。いくつかあるんだけど一個目は周囲に喜びがあるということです。幸せは見つけようと思わないと見つからない。自分が幸せであることを気づくか気づかないかだと思うんです。雑草とか鶯とか家にある笑顔、これは気づくか気づかないかだけで違いが出てくる。そんなことにも生きる意味があると思います。もう一つはチャンスがあるかということです。生きることはつらいけどそれをプラスにするチャンスがある。ぼくはスタートを切れない時期がありましたから、本当にそこにむかってチャレンジできることが幸福で意味があることだと思いますね。もし僕らがモグラだったら、人生を変えるチャンスなんかないでしょう。人間に生まれて本当にラッキーだと思います。そしてあるとき気持ちをリセットすることも大切です。ぼくは今日帰ったら連載エッセイの原稿も書かなきゃいけないしドライビングスクールの準備もしなきゃいけない中で忙しくていやだな仕事はって思うときもある。でも待てよ、仕事できるのは素晴らしじゃないかって。あそこの旗にKEEP ON RACINGという文字があるけど、あれは僕が左手で書いた文字なんですよ。右手が使えなかったから。生きることを続けていくよ、生きることは大変だけど面白いことだぞという。辛いことと計りにかけたら面白いことの方が多いぞと。悲しいことはやめることはできないけど、悲しいことより楽しいことが大きければ、生きていけるっていう思いを書いたんだ。これを見て気持ちをゼロにしてスタートだと。そして最後は人のために生きるということ。何かしたらありがとうという言葉が返ってくるということ。本を書いたら手紙が来て、鑑別所に行ってたけど高校受験することにしたとかリストラされたけど頑張りますとか。それまでレーサーって華やかな世界でみんなに拍手されながらシャンパンを抜くのが生最大の幸せな時かなと思った時期もあったけど、そうじゃなかったです。人に対して何かしてありがとうが返ってくることだと思います。

生徒:今やりたいことが二つあるんですけどこのまま二つ続けてもいいと思いますか?
太田:二つって何?
生徒:ギターとアメフト。
太田:うちの息子も高校でアメフトやっていたんだけど喘息でやめなくてはならなくなったんです。うちの娘はバンドをやっていてドラムをやっています。君と似たところがあるんだね。けど、ギターは最高だよね。もちろん二つやったほうがいいと思います。二個やってたらどこかで一つに集中するべきときがくるかもしれませんよね。高校大学社会人と。でも今は両方ガンガンやって、それだけ人よりうんと努力しなきゃいけないけど、それが楽しくてやりがいになるならどんどんやってください。もちろん勉強もね。そんなふうにいろいろやって自分の可能性を探ってほしいです。成功した人の8割が「偶然だった」というけど、みんな今の仕事についていることを子供のことから意識していたわけではなく目の前のことを一生懸命していたら、いつのまにか夢に近づくということだと思います。それを信じてみんなにも一生懸命頑張ってほしいと思います。

【講演を終えて〜副校長先生談話】
「「チャレンジ」というタイトルを拝見して、学校として大切にしているキーワードだったので、ぜひやっていただきたいと応募いたしました。今の世の中はチャレンジするうえで問題がいろいろありますが、生徒たちにとってチャレンジする同志として存在したいと思っています。今日おっしゃってくれたことは、日頃私たちから聞いていることとつながったと思います。同じチャレンジでもこうして太田先生から言っていただいたことは、新しいこととしてとても刺激になっただろうし、心に響いたと思います。ありがとうございました」






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講演に来てくださった皆さん、誠にありがとうございました。

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